既存のお客様がゼロでも半年で予約がとれない店に
私が開業サポートをした美容院の話です。
メーカーやディーラーを回って色々と打ち合わせをしていました。
その中で、「お客様はどれぐらい連れてこれそうですか?」という質問がありました。
その美容師さんが開業を予定している場所と、当時働いているサロンの場所がまったく違うところだったため、「既存のゼロです」と答えました。
すると「それって大丈夫ですか?相当無謀ですね〜」と言われたのです。
既存のお客様がゼロということは私たちもわかっていたことです。
そのため、いかに新規のお客様を獲得できるか、そのプランをしっかり立てていたので特に不安はありませんでした。
しかし、こういう意見を聞いて、「なるほど、既存客がゼロというのはこの業界では無謀という常識があるんだ」ということがわかりました。
もちろん、既存のお客様がゼロでも、その美容室は開店半年で予約が取れないお店になりました。
既存のお客様がいることでお客様のチューニングが間違うリスクが
さて、既存のお客様がゼロというのは本当に無謀なことなのでしょうか?
私の感覚では、むしろ既存のお客様が多いという方がちょっとコワイですね。
その理由を書いてみましょう。
そもそも既存のお客様がいない場合、当然新規のお客様を獲得しようとします。
どういったお客様をターゲットにするのか、価格は?メニューは?コンセプトは?デザインは?という具合に、新規のお客様にゼロベースでチューニングすることができます。
一方、既存のお客様がいる場合はどうでしょう?
新規のお客様にチューニングできるでしょうか?
おそらく難しいでしょう。
特にメニューや価格などは、既存のお客様に合わせる、つまり以前働いていたお店の内容を引きずらなくてはいけないという縛りが出てくるのです。
もちろん、既存のお客様に合わせる必要なんかなく、価格やメニューを変えたって良いのですが、そんな勇気がある方はなかなかいません。
既存のお客様にチューニングしたお店にすることで、結局新規のお客様を満足に獲得できず、そのうち既存のお客様も次第に減っていき、経営が行き詰まる、こんな可能性も出てくるのです。
既存のお客様がゼロというのは、決してマイナスポイントではありません。
ウェブサイトで戦略的に露出を増やすことで、必ず新規のお客様を獲得できます。
もちろんオープン記念などで値段を安くする必要もありません。
もし開業するにあたって、今のお店からお客様を連れてこられないと悩んでいる方は、杞憂かもしれませんね。